今さら

http://www.cyzo.com/2009/03/post_1664.html

何を今さら。な記事。

この記事だけ見ると、ライブだとかコンサートはもっとミュージシャンに金が入っていいような話になってるけど、そういった興行を行う上で一番大変なのは、イベンターとか現場の音響、照明その他諸々のスタッフの方なので、高コスト体質なのは仕方のないことで、そこでミュージシャンが稼げるようなシステムなんてのは、それこそCD不況どころか音楽業界を低迷させるような状況になりかねないんじゃないかと思う。

そもそも、会場が大きくなればなるほど、いわゆるミュージシャンたちが何をしてるかというと、楽器隊はそれこそセッティングなどで音響などとの打ち合わせやリハーサルなど大変な面はあるだろうが、一部のアーティストと呼ばれてるような、バンドでいえばボーカルにあたる人間はと言うと、別にライブハウスでやるバンドみたいに機材の搬入をするわけでもなし、リハーサルなどが終われば後は楽屋でケータリングで飯食えたり至れり尽くせりな状態で、あとは一緒に楽しめばいいみたいな部分があるから、それで稼げるシステムなんてものは、やっぱり不自然と言わざるを得ない。

そして、この記事では別物のように書かれているCDリリースと演奏活動だが、実際問題として、知ってる曲のないようなライブやコンサートなんてものには観客が集まるはずもなく、それでは"音楽活動"自体が成り立たなくなってしまう。

だからやっぱり曲ありきのような形にもなるだろうが、だからといって先のことばっかり考えてライブ映えするような曲ばっかりだと、先のことを見越し過ぎた感がしたりして詰まらなかったり、正直同じ系統ばかりになると飽きてしまう。
その中で、いわゆるパンクやメタルなどのジャンルに秀でたバンドというのは、単体よりもフェスの方が良さがわかりやすいということだろう。
そして曲がジャンルに分けられたとしても、パフォーマンスなどがいいというバンドもある、先程は「楽しめばいい」と書いたが、逆に楽しませられなければ興行面では観客自体が減っていってしまうのだから、どっちがいいということではないと思う。




まあ、そうして言及していけば、というかこれに関して話していけば、原盤権を持ってる方が勝ちとかそういう話になってくるんだろうが、いわゆるレコード会社などを通さずに、原盤権なんやらをキッチリやってるようなとこは、自分とこで新曲が生まれてこなかったり、コンサート(あえてライブとは言わない)やる時も、なんだかんだでまるでブッキング自体が難しい外タレ並みに延期とか、それこそ金に物言わせてというか金があるから出来ることをやって、メンバー間で温度差が生まれる自体になったりという事態に陥って、結局はそういうところが話題性になったりする。
実際、そこら辺キッチリやろうと思うと、ほぼデスクワークに付きっ切りになるはずだし、そういう意味ではレコード会社や事務所の存在ってのも小さくはない。

そして、ある程度アーティストには相応の取り分渡して、エンターテイメントとか言葉遊びでスタッフはサラリーマンとして仕事するavexとかは、儲け過ぎてある部分で足元を見られて、中身を見ない株トレーダーとかに振り回されても、好き勝手やろうとするアーティストの尻拭いをしながら、一方で新人発掘のオーディションだとか各種スクールを作ったりして、それでももう一方で自分達が持っていたはずの夢を売らなくてはいけなくなる。

そういった意味では、そうやって大味なことしかできなくなったミュージシャン気取りがやるライブハウス(といってもZEPPクラス)よりも、本当にライブハウスでずーっと活動してるミュージシャンもいて、そういう大味なことしかやらない音楽しか知らないから、ライブハウスに来たら暴れるしか頭にないような増えたりもするわけで。

今はもうCDだけでなく、配信などの提供方法も増え、CD会社がそれこそ何がなんでもCDを売らなければという状況でもなく、出荷枚数を調整したり、ちゃんと仕事をしながら多様化に対応しているというか、音楽活動の中での売上枚数が現実的なところに落ち着いてきたというか。
結局ファンもその辺を理解しながら、実購入とレンタルとか着うたとかを使い分けて、そういった中で結局売れてるCDってのが「GREEEEN」だったりするわけで。

それこそ一曲は売れなくても、アルバムとして良かったり、昔ほどCM曲やタイアップで売れても簡単には浮かれなくなったミュージシャンとかも増えて、今は、多様なミュージシャンが、選ぶ事務所だとかレコード会社を間違わなければ世に出てこれる構造には結果的になれてるように思う。

まあ、今はいろんな形式の中で全体像が見えにくくはなってるけども、もっともらしく、『"泣けるパンク"の草分けバンドB』なんて言い方をして、それほどもったいぶるほどのことでもない。
むしろ、一生のうちでそんなヒットするような曲に恵まれるわけではない業界で、ちゃんとその部分ではやりきって、新しいバンドでやりたいことをやるというのは、ある意味ミュージシャンとしては真っ当ではないかと思う。

もっと言えば、音楽で仕事できるような生活を送ってこないで、バラエティー番組とか音楽バラエティーに出ても、形だけミュージシャンという体裁で結局は"本"という形で自分の人生を切り売りしなければいけなくなった人を取り上げて、興行システムだとかを語られても説得力がない。

さらに言えば、これを書いてるのはダイアモンド☆ユカイの本の為に記事書いてるライター。

こうやって都合よく適当なことだけを並べ立てて、このライターが何を書きたかったのかわからないが、この記事を読んで現役ミュージシャンには頑張れとメッセージをこめてるつもりなら、本当のミュージシャンは、元々あんたなんかに煽られる筋合いはない。ということだろう。